同人道(その5)
・2001年(平成13年)・その2

・5/10

 やっと終わった……レヴォの準備。
 締切過ぎてたが、何とか突っ込んで間に合わせた。印刷屋さんごめん。
 ということで、今回は格闘H漫画である。
 内容は……ま、見てのお楽しみ。

 今回から、DTPにて対応することとなった。よる年波……じゃないデジタル化の波には逆らえず(別に前から逆らっちゃいないが)、パソコンでの仕上げ作業を行うようになった。つっても、ベタ・ホワイト・トーンなど、ペン入れ以降の作業を行うだけのことである。
 まあ、以前よりDTPへの移行は視野に入れていたが、何しろスキャナ問題(B4以上のサイズを読み取れるもので、手頃な価格のものがなかった)があったので、ずっと見送ってきたわけだが、今回プリンタと合体したタイプ、キヤノンF6600を導入。A3までの入出力を可能にした。A3フラットベッドスキャナが実売10万近くするのに比べれば、最近の高性能プリンタ+スキャナであれば十分実用に耐えよう。
 入力は720dpiと、A4の安価なものが1,200dpi読み取れる時代にやや見劣りするかと思われたが、使ってみると意外とそうでもない。同人で使うベースなら600dpiで十分だし、テスト印刷してみると2値取り込みしていることすら、よーーーく見ないと判らない。まぁインクジェットだから、というのもあるが。
 とゆーことで、まずは色々試行錯誤を交えながらやってみる。この期におよんで試行錯誤なんぞしている時間があるわけではないが、それでもテストはしないと後々ロクなことにならない。
 入力はOk。動く部分があるので多少線のかすれなどが出るが、これは最近のプリンタの精度が劇的に向上したことを受けて、無視すればしてもいい程度のもの。ただ、原画でも線の薄い部分は飛んでしまう。原画レベルでもっと質的向上が必要と痛感。ただ、2値で取り込めば、マンガ原稿用紙の青が出ないので、それはOK。トリミング位置だけはマーキングしておかなければならないが。
 問題は、線画の処理からであった。こんっなに時間がかかるとは予想外であった。確かに消しゴムをかけた後にもう一度線修正を行うのが常であるが、今回はそれをせずに、取り込み後にやることにしたのだが……これなら先に薄い部分だけでも黒を足しておくんだったと思う。

 ただ、ベタ&トーン部分に入ると、こっれは楽。しかもやり直しが簡単に出来る。エフェクトも変なトーンに頼らずとも使いたい放題(ただし、出来上がりを知らないととんでもない効果になる)。グラデーションも鬼のように使う。ただし鬼がグラデーションを多用するかどうかは内緒だ。
 印刷屋の方は、DTPといっても簡易DTPと言える形式で、フォントやら二値処理やらのミスを防ぐ為に、DTPソフトでのファイルではない形式(基本的にはフォトショップで出すEPS形式を推奨)での入稿を受け付けている。そのため、比較的原稿も作成しやすいのである。

 ……が、問題はその作業量だ。これは確実に見誤った。2週間前ではギリギリ間に合うようにスケジューリングしたのだが、私がそのように出来るとお思いか?(笑)
 言い訳を少しさせてもらうと、4月半ばに祖父が倒れ、その翌週には他界し、そのために週末の時間が二週に渡って消滅。しかも仕事の契約期間が4月末で切れて、次の仕事の打ち合わせや面接をする予定が、どうも締切当日にセットされそう。
 ……こうして少しずつ少しずつ作業は遅れ(それもこれもソリティアの奴が……)、GWに入る当たりでは、当初の予定を二日過ぎている。しかしそれでも、まだ何とか死なない程度にやれば行けると思っていたが……。
 甘い。甘すぎる。Too sweet。気が付けばもう5月。しかもまだペン入れしてるし。
 線画修正で時間を食い、トーンワークでも時間を食い、エフェクトで時間を食う。
 それだけならまだしも、奥付け忘れてるし、ネーム・ノンブル入れもしなくてはならない。サンプル出力もだ。最後にCD−Rに焼いて……えーい失敗すんじゃねー!
 ……しかしまあ、これでこのタイプの処理がどのくらい時間がかかるものなのか、おおよその見当がついた。今後はこれを考えて作業を進めよう。少なくとも、どのくらいかかるか判らないことはなくなった。今後はやりやすくなるであろう。

 ……さて、そこで問題です。
 デザイン感覚を鍛えるにはどうしたらいいでしょうか?(苦笑)
 誰か俺にデザインセンスをくれー。よよよ。神業のようなペン捌きでも良いぞ(岸辺露伴みたいな腕があれば……と、マンガを描く者なら誰しも思うことであろうよ)。

・5/13
 で、運命の5/13、レヴォ29である。
 今回は、赤爆@四条烏丸屋本舗氏に助力を仰いだ。要は留守番だ(笑)。
 スペースを委託用に貸し出す代わりに、俺が買い物してる間も常駐してもらう、ということで来てもらった。氏もレヴォのようなサンシャイン系イベントは初めて参加するということで、次に参加予定のサンクリの下見には丁度いいか、と、快く承知して頂いた。多謝。おかげで買い物は無事混乱前にほぼ終了しました。

 本の納入は、今回直接搬入をしてもらった。印刷所「ねこのしっぽ」も、コミケやらサンクリやら都産貿イベントには対応していたが、レヴォにも対応するようになったので利用。つーか自力搬入は疲れるよ。車で行かないし。
 スペースで準備開始、まだ本は到着してない。少々不安……と、そこへ到着。ほう。
 早速確認   あーよかった、赤はしっかり出ている。今回は表紙は赤ベースで、しっかり目立たせるようにした。事実、目を引くことおびただしい。通行人が足を止めて手に取る率はいつもよりずっと高い(ただ、そこからが……立ち読みで満足させちゃいけないのね。難しいのう……)。

 ついでにこっそり新作CGを配布。とはいえ、サイトにあるラブひなの3枚に新作3枚を加えたやつなんだけど。一応「学校の怪談」終了記念である。
 買い物に出る。抽選の壁に阻まれ、仲間内では他に誰も出てない。ので、適当に見てまわる。レヴォもまたコミケほどではないにせよ、倍率高いからねぇ……。

 混雑……相変わらずだ。最初は入場直後。残念ながら、ウチのよーな零細サークルには、開場当初から人が来ることなど滅多にない。一般の行動パターンは、まず目標の大手、それから中堅その他のチェックドサークルへ回る。よって、ウチは空けておいても大丈夫といえば大丈夫なのだが、今回は赤爆氏がいてくれるのでさらに安心して回る。突入してくる一般参加の数からして、文化会館2Fが毎度のように主戦場になる。そんなところで悠々と見物して回れるのは、やはしサークルの特権。
 そうそう、買い物と言えば、凪氏の掲示板に書き込んでいて、以前一度会っているO沢氏(スタジオぽん酢)が、共同購入の発進ベースにちょっと開始の時いさせてくれ、と申し入れがあり、ぢゃあ共同に混ぜて〜と交渉してみたのだが。
 なんと、俺の欲しいモノってのが、どーにも彼らとは合わず(Hit率なんと3%以下!)、結局自分で手に入れるしかなかったのである(苦笑)。
 これはつまり、「あんたの好みは一般の方々とは違うのよ〜」ってことですか?
 ……いいんだけどね。同人に関しては、他人に迎合するつもりもないし。

 買い物と言うても、まずは30分程度で終了。あんまり空けておいてもナニだし。
 しかも最近はさすがに、モノを見る目が出来てきたっつーか、自分の好みかどうか、帰ったあとで「ちょっと違うにゃあ」とか思ったりすることもまずなくなった。勢いだけで買うことが少なくなったせいか。コミケみたいに巨大すぎると、勢いが恐いんだけどね。
 戻ると3冊出たという。壁を向いている中ほどの席なので、ちょっと離れて壁際で見ている……おお、手に取っている。読んでる読んでる。しかもじっくり。あ、置いた……(苦笑)。
 とゆーのをしばらく眺め、また出動。「まことの間」は多くの一般参加同様、俺にとっても主戦場。ここを早いうちにクリアしておけば、後々の周回が楽になる……とはいえ、4Fに一個所行っておきたいサークル(「ぷにょーんソフト」)があったので、一度赤爆氏と交代し、入場規制が緩和されるのを待つことに。
 赤爆氏は、左手にちょっと行った場所に、先輩がいるという。しかもプロ。誰だらうと思ったら、俺も昔から知ってる佐原一光氏ではないか。(かなり)昔、「イチゴみるく」誌上で「赤戦騎ジェル」つーのを描いてましたな。もちろん今でもプロなんですが。
 俺も直接でなけりゃあ、プロとのコネはないでもないんだが、だから直接でなくちゃあ意味ないじゃーん(笑)。ダメ?
 午後、やっと上に出る。4Fからワールドインポートマートへ。ワールドインポートマートというぐらいだから、普段は輸入雑貨なんか扱ってるんだろうか……そんなの見た事ないんだけどなー……って、下のフロアがそうか。イベントしか見ちゃあいねえ。
 が、戻るにあたり、外をぐるりと回らねばならんことに気付く。ちい、まだ規制されとるとは。しかし流れは早いので特に問題無し。
 そんなこんなで赤爆氏と交代したりダベったりしつつ、少しずつ売る。しかし、どーも立ち読み満足ってのが多い(苦笑)。読んでもらえるのは有り難いが、なんかもう一押しせないかんのう。いや、判ってるんだけどさ。
 終了時間が迫ってきた頃、七海氏が来る。新刊渡す。熱く語る(笑)。
 そして終了   心地よい疲労ついでに、本を宅配で返送。持ち帰る荷物が軽い。
 赤爆氏と、下のデニーズでメシを食う。また熱く語り合う(笑)。しかも一般人の真ん中で、結構なネタを(笑)。ダメ人間丸出し。
 結局帰れば8時近い……一般時代なら3時には帰宅してたもんだが。変わったもんだと思う。
 まー今後もこのやうなダラダラしたイベント参加になるでせうか(笑)。
 ともかくダラダラやってきます。だらん。

・6/24
 飛ぶが、サンシャインクリエイション12である。
 本日は赤爆・りろ・七海各氏もスペースを確保されたので、私も一人で参加である。
 お隣さんの「DELTA BOX」の人は、一人で来るのは初めてだったらしく、不安そうにしていたが、彼の両隣(片方はうち)とも同じ状況なので、なんか安心したのかどうか。うーむ、わしは一人が多いから、こういうの普通やってんけどなあ。ともかく新作交換をして頂きました。
 今回一番大きかったのは、初めて「完売」が出たことである。
持ってきた数量自体が少ないこともあるが、先のレヴォで出した「グラップラー真牙」が、2時過ぎ頃完売した。
♪完売〜今君は人生の〜大きな大きな舞台に〜立〜つ〜♪ってな気分ですよもう。
お隣(DELTABOXさん)はいつものことらしく、50だ100だと売れているし、1時前には一種類なくなっていた。
 だが、うちにとっては2年ちょいにして初めてのことである。
 まずは第一歩、というところであろうが、目にみえない後押しになることは確実である。
 自分のこのやり方でも、それくらいはやれる、ということが解ったのだから。

 今回は出る時間が遅かった(1時ちょい前〜)ので、あんまり見てまわってはいない。まずは来てるのがわかってる同じホールの赤爆氏りろ氏に挨拶。続いて七海氏捜索。カタログを買いそびれて場所不明。確かBだったはず……よかった、いたいた。
 最近見てまわっても、本も買えるとこでしか買わなくなった。列があって見えないと、それだけで「もうええわ」って次行くもんな。諦めが早いっつーか年寄りっつーか。一人だとあんまりスペース空けてられないしね。
 戻ってしばらく待つ。そこそこ出る。クレームの人くる。CDの焼き抜けがあったようだ。いかんのう。
 3時近くなって七海氏来る。しかし今日は赤爆氏らとコミケでの委託の話があって、ラストまでいなければならない。しばし語って今日はお別れ。
 んで、終わった後、赤爆氏・りろ氏、富山から来たmasa氏ら他計6名で、まずは絶唱カラオケマン。セガカラが良かったが、空いてない。ギーゴは「をたカラ」の聖地だからのう。3時間熱唱の後、飯食って解散。

 こんな具合で終わったが、最近ちょいスケジューリングが厳しい。この日のサンクリも、完徹で参加と相成った。今回分量を増やしたことと、ソリティアさえなければ(笑)。
 しかし完徹でも、イベントではテンション高いままなので、眠くなるようなことはなかった。不思議なもんだ。むしろちょっと眠ったりすると余計に辛かったりするから。

 さて、次のイベントは……来週かい。コミックワールド萌4。
 前の一件以来、都産貿イベントは勝手知ったパソケ以外は十分警戒しなければならんと思っていたのだが……まあここは4回やってるし、デリーター主催だから返事がないとかバックレなんてことはないと思うので、よしとした。
 ……思い出すはエンブレムの一件。同人イベントの失敗が最悪の形で出てしまった好例である。他のイベント主催者の方々は、もしこの例をご存知であれば、このような対応だけはなさらないよう、切に願うのみである。
 巨大すぎても混乱、小さくても混乱、中規模でもそれなりに混乱……まあ、イベントと言うのはそれを楽しむものなのかもしれないね。

 来週の萌4が終わると、次はいよいよコミケ。1999年の冬以来である。
 本はスケジュール的に無理があるので、コミケ後のレヴォ目標、もしくはサンクリでいこうと思う。ただこの二つは抽選だからな……もしかして外れたりすると痛い。外れないよう祈ろう。

 今計画中なのは、「素子ショートカット化祝」である(笑)。
 いやあ、今まではラブひな言うたら、素子としのぶの双璧だと思っていたが、しのぶは高校生になっちゃうし(苦笑)、素子は性格的に非常に好きなのだが、ロングヘアが描きにくくてしかたなかった。
 だが! 遂にショートカットになって以降、素子にグンと傾いた。あのサービス精神溢れるアクション(笑)といい、姉ちゃんとの掛け合いといい、これは好感度急上昇ってやつね。姉ちゃんの名前も判ったし(「鶴子」だそーですが……ううむ……)
 惜しむらくは、素子の表情って、一歩間違うとなんか可愛くなくなるんだよな……難しい……しのぶは簡単なのに……(苦笑)。
 てなことを考えてます。ダメ人間な。

・7/1
 「コミックワールド萌4」である。
 まあ、さほど期待して行ったわけではないが……まあこんなもんなのだろう。
 雰囲気としてはコミックライブ系統と似ている。さしずめデリーター版パソケ、といった感じだろうか。場所も場所だし。
 だた、上は相当混雑していたというから……ううむ、これなら上の「ふぇち×ふぇち」に出ればよかったかな。まあ今更言うてもしゃあないわ。

 でも都産貿イベントは、エンブレムの一件があって以来、どうも警戒してしまって、回数重ねてるとか知ってるとこがやってるとか、主催が信頼できるかどうかのチェックが厳しくなってしまっている。
 元々都産貿でやる規模はせいぜい多くて一つに200前後。そんだけいたら大繁盛。100ぐらいならまあ普通だろう。その意味では、都産貿イベントは一般の反応を見る場より、知り合いサークルと帰りに飯食って秋葉寄って……というサークル交流のための場と考えるのが妥当なのだろう。それもイベントの一つの考え方ではなかろうか。

 それはそうと、先日米国連邦高等裁判所が、マイクロソフト(以下M$)に対して出された地裁の会社分割命令の再審理をするよう判決を下し、命令を却下した。
 突然何を書き出すのか、と思われるかもしれないが、今M$がやろうとしていること、やっていることを考えると、これはオウムに対して破防法を適用しないのと同じレベルの法的危険性を、我々に対して示していると考えなければならないからである。
 オウムと比較するのはどうか、というところはさておき、これがM$の今後の戦略推進と我々ユーザーへの重大な影響を与えることを、我々は知っておかねばならない。

 具体的に何が危険なのかと言うと。

 1:今後、Windowsの販売形態が、売り切りから「使用権購入」という形になる。
 2:「.NET」構想に否応無しに荷担させられ、個人情報をM$に提示しなければならない。
 3:M$製品と競合するソフト製品に対しては、性能の保証が出来ない。
 4:IEやOffice経由でクラッキングやマクロウイルス感染の危険性が増す。
 5:「Passport」によって、M$が全てのWinユーザーのネット環境を制御し、パソコン情報も取得する。

 ……等など。
 まだあるが、我慢ならんとゆーか「ふざけんな」はこのあたりであろう。
 1。これは業界でいうところの「ASP(アプリケーションサービズプロバイダ)」をM$が目指しているという事である。
 ASPになることのメリットは、海賊版に悩まされることがないことである。全てのソフトがオンラインで提供されることになり、ソフトはネットワークに接続されて認証されたマシンだけが使用できる。
 5の「Passport」認証技術を利用してこれを行えば、全てのWinユーザーを自分の手で完全制御できる。一年なら一年ごとに、使用料を徴収できる。これほど都合の良いことはない(もっとも、これをM$一社でやれば独禁法や公取法(アメリカでは反トラスト法とも)違反に問われようが)。
 もっともそこまでやるには、全てのユーザー(パソコン)がブロードバンドでオンライン常時接続されていることが前提であるが、現実アメリカでも未だモデムでしかネットへ接続できない場所は多い。インフラ構築がそれより10年遅れている日本では尚更である。
 昨今やっとADSLが盛んに宣伝されているが、あれはNTT基地局から約5km以内しか適用(接続保証)されないサービスだ。地方では、まだまだ高価な衛星インターネットサービスでも使わないと、そんなのは無理無理無理。
 であるから、その代わりに、M$はXP以降のWinに、マシン構成から不正コピーかどうかを検出する機能(プロダクト・アクティベーション)を取り込むとしているが   やはりM$のやることはヌケているというか非現実的というか。
 実はこの機能、すでにOfficeXPで採用されているのだが、これですでにマシンのパワーアップをしたら「不正コピーです」とか言われて起動しなくなった、という戯けた報告が米国では起こっている。
 ユーザーがマシンをパワーアップする可能性を、M$は全く考慮していなかったのである。アホちゃうか。アホちゃいまんねんパーでんねん。パァー。
 これがOfficeならともかく(俺はOfficeを使うことの恐ろしさ愚かさを身に染みて知っているので、もう一生自分のマシンでは使わないことにしている)、もしWinで起きてごらん?
 仕事が出来ないとかではなく、ネットにも繋げない、オンライン関係は全滅。M$に電話して、解除方法を確認しなければならなくなる。しかも奴らのサポート対応はすでに判明している通り最悪で、すぐに動かせるようになる確率は半分以下であろうと推測される。
 本社体制がそんな状態なのに、制限だけは増えていく。しかも非現実的な制限。
 必要な対応ソフト(含むゲーム)がこの上でしか動かないのでなければ、とっとと乗り換えたいのだが、そうもいかないのもまた現状。
 こうなれば、意地でもXP以降にはアップグレードはしない、という方法も選択肢としてはあるが、それではいずれ大半のソフトが使用不能になってしまう。
 まあ現実的には、それ以前にユーザーの反発が大きいであろうことから、この機能については実装されないか、実装されてももっと融通の効くシステムになろうが。
 2。「.NET」構想て何? まずはそれを問いたい。
 毎度毎度M$のやることは訳判らない上に意味のない、混乱を増長するだけの頭の悪い方法ばかりである(こんなのはM$に限ったことではなく、オラクルやサンだって、もう少し頭はいいが似たようなことはしてる。しかしM$のやることは、業界一頭が悪く私利私欲に塗れた汚いやり方である)。
 具体的には、これもやはり5の「Passport」へと繋がる。
 ではこの「Passport」っちゃ何か?
 これは、外国へ行ったときのパスポートと同じような働きをするものだと思ってくれ。つまり、外国ならぬオンラインで、これを個人認証システムとして標準化したい、とM$は考えているのである。
 結果、どこへ行ってもPassportで認証され、毎度毎度M$へ認証確認がいくことになる。そのためには、M$に個人情報を提示して、保証を取らなければならない。何かを申し込んでも、オンラインショッピングをしても、M$が全て関わるのだ。
 国でさえ個人情報をまともに管理できないのに、マーケティングという利害の絡む一企業に、それが出来るのか(まあ、信用を売り物にするところもあるが)? しかもM$の管理体制が信用できるわけがない。「個人情報は一切漏らしません」と言うだろうが、じゃあ漏らした情報を徹底的に回収して、それによって受けた精神的苦痛に対する慰謝料の支払いにM$が応じるか?
 答えはNOである。こんなことM$がするわけない。しかも事実上、漏れた個人情報はオンラインに限らず、名簿屋みたいなのが存在するぐらいだから、回収は不可能である。それに関しては私も痛い目に遭っているので、外部に個人情報を漏らすことに対しては非常に注意している(この件に関しては、郵便局ですら信用ならないのだから、実際は何を注意しても無駄だと言えば無駄なのだが、それでも意識するとしないとでは大きな違いがある)。
 3。競合製品に対して、M$が何をしでかすか解ったものではない。
 ブラウザ戦争では、ネトスケープナビゲータ(コミュニケータ)に対して、意識的に遅くなるようなコーディングをWinではしていた、などと指摘されているのも、M$の体質を物語っている。自社製品を売り込む為なら、裏で何をしでかすか判らないのがM$の、広く言うなら独占企業の体質である。特にソフトでは、何かされたとしても簡単には発覚しないし、調査にも時間がかかる。しかもそこから、他社製品の妨害をしたという事実を証明するための調査、裁判まで行うと、今のM$対司法省の裁判のように、非常に長期化し、その間に独占力が強化されてしまう可能性もある。
 それだけではなく、OSバンドルを傘にきて、他社製品バンドルを妨害したりなど、マーケットでも平然と違法行為スレスレで動き回る。
 4。最近流行の「マクロウイルス」は、世界のシェアの9割を掌握しているというOfficeに搭載されている「VB(ビジュアルベーシック)エンジン」が発病原因である。これだけシェアが拡大してしまったからこそ問題になっているのだが、私のマシンにはOfficeが入っていないので、マクロウイルスは全く脅威に値しない。発病のしようがないからである。
 しかし、M$製品で固められたマシンでは、容易にそれは発病する。しかもVBエンジンは、OSレベルの操作が可能なのである。それがために強力なアプリケーション足りうるのだが、はっきり言って副作用が強すぎる劇薬である。危険性に目をつぶってまで使えるものなのか、と言えば、実はそこまでしなくても十分な性能はある(それは認めよう。シェアを取っているのは、単に汚いマーケティングと独占力だけの話ではなく、そこそこの性能は基本的に備えているからである)。
 VBは、アプリケーション開発を変えたと言われるほど、簡易にアプリケーションを開発できる言語である。C++などと比較すると言語仕様も簡単であり、Office製品に組み込むことも出来たり、インターネットアプリにも対応している(これにはNT系サーバが必要)。
 が、利便性をまず追求した結果が、世界的に大問題となった「メリッサ」などの新しいマクロウイルスという新種の害悪を生み出したのである(あたかも日本の社会構造を見ているようで、気分の悪いことこの上ない)。
 そして5。
 はっきり言って、M$は信用ならない。「信用して」と一方的に言われただけでは信用するのは無理。今までの実績からしても、信用ならないことは証明できるが、信用できることを証明するのは非常に難しい。というか不可能。大企業だから信用できる、などというたわけ者は、意見を言う資格もない。少しは勉強せえ(こういうのがまだいるから不思議だ)。
 そんな信用ならない企業に認証がすべて委任されたとしたら、どうなるか?
 自社に不利益な相手には、認証情報の改竄までやりかねない企業なのだから、こんなものには手を出さないことである。

 とにかく、コンピュータ業界の信用は、実績が全てである。
 その実績において、「信用ならない」というレッテルをすでに貼られているに等しいマイクロソフトを信用する、などという愚を犯さぬよう、これを読んでいる諸兄にはご注意申し上げる。


・8/13
 運命のコミックマーケット夏の陣も終了した。
 わしは三日目のみだったが、初日、同人ソフトの方で委託をさせてもらった。赤爆氏のを三日目に委託販売してるので、バーターでちょいとおかせてもらったのである。
 新作「グラップラー真牙:0」を出した。本当は「2」を出さねばいかんのだが、ページボリュームが倍近くになり、絶対間に合わないのが判ったから、先にこっちを出した次第である。よって次のレヴォでは「2」を出す腹づもりである。つーか出さねばのう。話が進まぬから。

 そーいえば、今回「爆竹騒動」が、うちのすぐ近くで起きた。嫌がらせか愉快犯かはしらないが、突然爆竹を鳴らして逃げていったやつがいて、何度かあちこちで音が響いていた。犯人は捕まったのだろうか? サイトかどっかに結果報告は出してもらいたいもんだ。

 補足:後に「かんしゃく玉」であったらしいという情報も。まあ大した違いはない。

 今回は、色々勉強になった三日だった。
 自分のスタイルを変えてまで売りたいわけではないが、それでも売れないよりは売れた方がいいのは確か。そんな欲望がないなら、そもそも即売会なんぞに出ねーてよ。
 要は、「細かい利便性を追求せよ」「自分に出来る範囲で流行の要素を取り入れよ」とゆーこと。

 即売会の「売れるまで」には、いくつかの段階がある。
 まず、即売会に出る。これをしなくちゃ、売る以前の問題だ。
 次にレイアウティング。頒布物をどう置くか、見本をどう見せるか、それで注目率、「足を止めさせることが出来るかどうか」が変わる。特にコミケのような大きな即売会では、不特定多数が前を通る。彼らの目を引くにはどうするか?
 そして、表紙/パッケージデザイン。これは足を止めさせて、「手に取らせる」ための大事な要素であろう。店舗売りの同人を見ると、プロ顔負けのデザインがずらりと並ぶ(つーか、実際プロがやってるのも少なくないんだが)。わしのような素人がデザインのプロにかなうべくもないのだが、それでも素人には、プロでは見落としてしまうような見方ができることもある。それを巧く利用できれば、手に取らせるまでは意外と難しくはない。
 難しいのは、「手に取らせてから」である。俺は、店舗売りは、まだ店で売れるほどの物が出来ているとは思えないので、自分からは積極的に売り込む気はない。売り込むぐらいの物が描けるようになったら、堂々と売り込みに行くことにしている。
 ゆえに、まずは即売会で売ることだけを目標にしているのだが……この店舗売りというヤツを考えると、ちょっと侮れない考え方もあるのである。店頭で売ることを考えたとき、本はまあいい。見本があればなんとでもなるが、CGはそうはいかない。俺の場合、両方あるから、両方について考えなくちゃならない。頭痛いわほんま。
 それはともかく、「手にとってから買わせる」ためには、それだけの価値がある、と相手に思わせなければならない。
 簡単に売るために一番いいのは、流行の絵柄と題材で、そこそこのH描いておくことなのだが、それが描ければ苦労しないってことで(苦笑)。
 ま、そこまで行ってしまえば、あとは売れるに任せておけばいい。流行のネタを掴んで押さえておけば、確実に固定ファンを掴めるはず。

 絵柄で売れる売れないというのは、確実にある。俺の絵柄ってのは、どうも微妙なとこらしい。もっとテクニックがあれば、この絵で十分いけると思うのだが、今の技術レベルではなかなかそうもいかないのである。  何しろこちとら、専門学校に通ったわけでもなく、今現在プロの経験があるわけでもない。誰かに指南を仰いだわけでもない。完全に趣味の時間だけでここまできたのである。
 この上がり方にも、メリットデメリットがある。
 メリットは、自分のやりたいことがやれること。自分がパイオニアとしてやっていける自由度は、何物にも換え難いはずである。
 デメリットは、やはり技術面であろう。調べて出来るようになるノウハウはともかく、仕事の現場でしか得られない、誰かに教えてもらわなければ解らない「口伝技術」のようなものは、現代技術にも存在する。いわゆる「経験則」である。

 この経験則は、人間が操作するものには必ず存在する。完全自動で動きつづけるものにも、チューニング方法などに経験が生かされることはなくならない。
 その量が、手描きでなくてはならない同人の世界では、「職人の世界」と言っていいほどに多い。そう、手描きで職人芸のような技術が存在すれば、今ではデジタルでも名人芸や職人芸が多数存在するのである。道具が変わっても、人間が扱う以上、そこには「如何に効率的に処理するか」「如何に美しく処理するか」など、様々な手法が人間の数だけ存在する。その中で、より効率的で効果的な手法が生き残り、蓄積されたノウハウとして伝えられていくことになる。
 その経験則ばかりは、一人ではどうにもならない。多人数が寄って集って築き上げた技術は、一人がいくらがんばってみても全て発見して習得するのは、おそらく時間が足りなさ過ぎる。

 自分一人でやるのはいいが、その過程で誰かに情報やノウハウを伝授される機会があったなら、是非とも聞いておくべきである。
 その人の中には、自分の知らない何かがきっと隠されているはずだから。

まだまだ続くよ。


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