同人道(その10)
・2003年(平成15年)・その2
・6/9:同人ビジネスを考える
さて、もうすぐ今年も半分終わる。夏の陣も近い。
こういう活動を始めて少なからぬ期間が経過し、多少なりとあちこち活動の手を広げていると、どうしても「同人ビジネス」というものと接する機会が増えてくる。
現在、当サークルも「デジぱれ」に委託販売を依頼しているし、そろそろ「虎の穴」あたりにも……と考えている。
が、そんな有名どころは今回の話題ではない。
今回話題にしたいのは、新規参入組の同人ビジネス屋である。
虎、K、LLパレスあたりは、同人委託ではかなり老舗というか大手にあたる。ここの委託条件が、同人委託でのスタンダードであろう。関東圏、名古屋、関西あたりでも、ここの条件に準じる条件であることがほとんどである。
新規に参入してくる小規模な委託請負の書店やオンラインショップも、まあこれが標準的な条件であることは承知しているところも多い。
が、しかし、最近新規参入組には、同人業界の暗黙のルールというものを知らずに入ってくるケースが多いように思える。
ビジネスの世界では、「人のやらないビジネスにこそ成功の鍵がある」などと言われるようになって、いわゆる「ニッチ(隙間)市場」に目を向ける起業家が多くなってきた。ネットビジネスを始める人間が多かったこの10年ほども、オンラインビジネスがそのニッチビジネスになると踏んだからである。
しかし、結局はオンラインビジネスはどこも厳しく、大方の新規システムは消滅していった。いわゆる「ネットバブル」というやつである。
これは別に、オンラインがビジネスの対象になり得なかったからではない。オンラインビジネスには体力が要るということ、同時に高い信頼性が必要とされることが解り、それを満たすものだけが生き残ったというだけの話である。
ネットビジネスは、それを主力にすることではあまり成功しているとは言い難い。ただ、オンライン書店やオンライン同人ショップなど、本来ならあるべきデッドストックを持たずに済む業界に関しては、副次的な販売形態として進化し、そこそこの売上を記録している。十分ビジネスとして成り立っているのだ。
ただ、これは単独のビジネスとして成り立っているとは言い難い。母体となる書店や委託業があって、その発展形として追加されたような形だ。
しかし、同人業界では、このオンラインショップというのは少なからず利用される環境にあると思われる。
同人業界は、ほとんど大都市に集中する。巨大なイベント開催場所や、同人人口を考えれば、大都市で、特に関東圏で巨大イベントは集中的に行われる。それだけのキャパシティを持ったイベント会場、そして有名なイベントが、関東には古くからあるからだ。
が、逆に、地方都市にはあまりそういったイベントがない。イベントホールも、同人イベントというものに慣れていないため、また同人イベントをやってくれるイベンターもいないことが多い。
また、有名サークルもほとんど関東・関西圏に集中し、地方イベントには少なく、集客力もさほどではない……というのも現状であろう(もちろん、ガタケットのような成功例もある)。
ゆえに、従来では地方の人間は、年に数回の関東イベントに集中的に出かけるぐらいしか、同人誌に直截触れる機会はなかった。私も学生時代はそのクチだった。コミケの夏冬だけ関東の友人宅へ泊まり、コミケで関東の仲間と合流していたものだった。
でなければ、通販で手に入れるという方法もあったが、なにしろサンプルを見られない。その手がかりも、PC関係の雑誌に細々と載っている程度で、同人専門雑誌なども存在しなかった。
が、近年インターネットの普及で、そういった環境は爆発的に改善されている。
今では、どんな田舎であっても、電話が通じないという状況は珍しい。電話線が引かれていれば、とりあえずはインターネットが利用できる。そして、現在日本の99.9%ぐらいの地域では、一応不自由なくインターネットが利用でき、都市圏であれば、ほとんどADSLというブロードバンドまで利用できるようになった。携帯電話の普及によりAir-H゛などのモバイル無線端末も普及し、ネット空白地帯は、離島や深い山間部でもなければ存在しない。
さて、そういった状況で、このオンライン環境をビジネスに使おうという動きが、10年ほど前から非常に盛んに行われてきている。
そう、同人業界でも、である。
やっと話を元に戻すが、私のところにも、時折「通販委託しませんか」というメールが来る。
そういうメールが来ると、「どこでメールアドレス拾ったんだ」とかいう苦情を出す寝ぼけたサークルもあるようだが、どこかの検索サイトに登録していればそこから引っ張ってくるなど、いくらでも調べようはある。人を使って地道に調べるだけでも、いくらでもメールアドレスは手に入る。自分のサイトに連絡アドレス掲載しない奴はいないだろう? まあいくら名簿屋でも、同人作家のアドレスは集めてないと思われるが(苦笑)。
さて、そんな委託サイトのお誘いが来ると、とりあえずは見てみることにする。
まあ大抵、新規立ち上げサイトは寂しいもので、発展するには2年3年という時間がかかる、作品がある程度揃う、そのサイトの認知度が上がるには、時間が必要なのだ。
これらの販売サイトの条件は、虎などの大手ショップに従ったものが多い。まあ標準的な条件で、作家側もなれているからだ。
が、時には「お前、どっかから『同人は儲かるぞ』って聞いてきて参入しただろう」みたいなところもある。最近はそういうのが増えた。
委託販売を手がけるからには、ビジネスとしてやっているわけで、そこで儲からなければビジネスは成り立たない。3年以内に黒字にならなければ、ビジネスとしては失敗と見るのが、世の中では一般的な見方だ。今の1円起業有限会社も、3年以内には資本金を300万円にまで増資しなければ、会社の名義が消えてしまう。故に、3年目で黒字転換しなければ、ビジネスとしては失敗なのだ。
だからかもしれないが、明らかに儲けようとしている態度が見え見えなところもあるのだ。
それが悪いとは言えないが、しかし、しかしである。
「同人業界の、イベントの常識」というものも知らないような連中が、同人ビジネスを成功させられるだろうか?
こういうサイトがあった。
「バーチャルコミケ」というオンラインイベントを開催し、そこに登録したサークルはそこで会場に入った客に自由に販売が出来る。つまり、イベント形式のオンラインショップだ、という。
だが、そんなのはオンラインショップとしては当たり前の形式で、別段目新しいことではない。
それはまあいいが、このサイトには、色々問題点があった。例えば、「サークルの見本を見る度に課金される」とか、「アクセスするたびに課金される」とか……。
これを実際のイベントに当てはめてみると、「パンフはなくてもいいが会場に出入りするたびに入場料を払う」、「サークルで見本誌を見る度に金を払う」という状況になる。
そんなイベントに誰が行く?
ここらのビジネスモデルを考案した人間は、「よし、これなら誰もやってないし確実に儲かる!」とでも思ったのだろう。発想が実にアメリカンだ。
だがしかし、こんなシステムで客が来るとでも思ったのだろうか?
おそらく、これを考えた人間は、イベントへ行ったことはない。人伝に「コミケってのはスゴイ金が動くらしいぜ」とかいう噂をある程度聞き及んだのだろう。自力で多少はコミケについては調べ、イベントがどういうものかも、表面的には知っているとは思われる。
だが、彼(女?)は、イベントの実際を全く知らない。
複数のイベントへ何度か行ったことのあるヲタ(^^)なら、誰でもイベントのシステムというものを大体理解している。入場料としてパンフを買い、それをチケット代わりに会場へ入る。パンフがあれば、開場時間内であれば、何度でもパンフを示すことで出入りできる(コミケではカタログは強制ではないが、買い手としてはなければ非常に困るので、かなりの数が自然に出る)。
また、サークルの見本誌を見るのは基本的に自由で、じっくり中身を見てから、買うか買わないかを決めることができる。一部CGなどはサンプル出力だけだが、それでも「その場で見るだけならタダ」は、どんなイベントでも大原則である。
誰が出入りするたびに金払うのを喜ぶか? 誰が見本誌見る度に金払うか?
もうね、バカかと。アホかと。
金儲け主義には付き合ってらんねーよ。レッドBooBooだってそこまで銭ズラじゃないぞ?
ある意味、これは西洋のチップ方式を真似たのではないかと推測される。確かに西洋社会は、サービスはその都度チップという形で報酬を得るが、実際西洋でもあの習慣は誰もが鬱陶しいと思っていることを知っているだろうか? 出来ることなら払いたくない、というのが西洋人の本音だ。
それに、見本を見る度に課金というのも、おそらくは「見本=本体」という図式を当てはめて、「本体を見られるようにする」=「本体をタダで持っていかれる」と考え、ならば「見る度に課金にすればいいのではないか」と考えたと推定される。
だとしたら、だ。
「だったらなんで、そんな効率的な儲かる手法を、誰もやってないんだい?」
確かに儲かるかもしれないが、それは効率的ではない。さらに言うなら、集客力もない。
つまり、ビジネスモデルとしては失敗作だ。
成功したビジネスモデルの研究もしてないのだろうか、と、起業家としての資質すら疑われる。
もちろん、儲かるシステムを考えてのことだろうが、あまりに消費者心理を考えなさ過ぎる。サンプル見るのに課金されるシステムが上手く行くなんて、考える方がおかしい。タダで見られるからサンプルなのだ。そんなこと、イベントに出ている同人作家なら誰だって知っている、初歩も初歩、基本中の基本だ。どこのスーパーで、試食品を売っているところがある?
特にエロを扱うなら、それを持って帰ってじっくり見直して……というのが目的なのだから、本物を持って帰らなければ意味がない。
オンラインでサンプルを出すにしても、内容は具体的に出すにしても、オリジナルを全部を出すサークルはまずない。部分サンプル、もしくは縮小版など、部分や概要はわかっても全体や詳細は実物を見ないとわからないようにしてある。そんなもの、ちょっと考えれば解ることだ。
「木を見て森を見ず」というか「とらぬタヌキの皮算用」というか、収益にばかり気を取られ、ビジネスモデルが成功するかどうかの検証自体を怠るから、そういう失敗作しかできないのだ。
もう一つは、もう少し賢い。だが、賢明とは言えない。
「虎システム」よりも作家の取り分を減らし(虎は3割、そこは4割を取る)、儲けを増やそうとしているのだ。
だが、私が見る限り、そのサイトもまだ寂しい。そこだけしかオンラインで扱っていない、とか委託をしていない、というサークルは非常に少数なのではないか?
理由は簡単だ。もっと利益の上がる、大手サイトがあるのにそこに登録するということは、他へはもうすでに登録してあり、最後にここにも、と考えると考えるのが妥当だからだ。
だとしたら、客はもっと品揃えのいい他で買えばいいだけのことだ。秋葉や池袋のショップと違い、オンラインショップはその場で別の店を選択できる。おそらく、客が智恵をつけ、そこより品揃えのいいところを発見すれば、そちらへ流れていくことだろう。
購買層にはそれなりに支持されても、作家に支持されなければ、結局は縮小なり撤退なりを余儀なくされることになる。
別に、高いマージンを取るのが悪いとは言わない。ただ、同じサービスでマージンは高い、では、登録する側としてもメリットが薄いので、「そこは最後にしよう」と考えたくなる。それなら、何かの付加価値があるとか、特有のサービスでも欲しいものだ。例えば「決済が二週間毎だから支払いが早いです」とか、「ある程度の本数を売ったら、買い取り枠ということで、次回新作登録では販売分に加えて何本分を先払いします」とか、収益以外の部分で出来るサービスというものがあるのではなかろうか?
ビジネス素人である私にも、買い手として「こんなサービスがあれば買ってもいい」と思うものはそこそこ解る。自分がメリットを感じることを、客に対して提供すればいいだけの話だ。
上のような失敗型ビジネスモデルは、きっと想像力が足りなかったのだろう。
そういう人間は、ビジネスをやるべきではない。別にやって失敗するのは勝手だが、私が投資家であって出資することになったら、詳細なビジネスプランを当然出させるし、それに疑問を感じればこれまた当然出資もしない。
自分でやって自分で損をするのは勝手だが、出資させるなら損はさせないプランを提示するのは、ビジネスプランナーとしても義務だと思うが、どうか。
まーとにかく、最近は想像力の欠如したアタマ悪い奴が増えてるのよ。
困ったもんだねえ。
・8/20
夏コミが終わりました。うわぁえらいこと時間飛んでるわ。
今回は色々あった。
まずは、初の合同誌を出したこと。「GAD GUARD」のアラシ本(一部違^^)です。持ちこまれた話ではあるけれど、他人と共同してやるっていうのは初めてのことで、まあいい経験になりますわ。
もう一つは、ここがアクセス100,000を達成したこと。ううむ、ここまで4年と8ヶ月……年平均2万強か。でもまあ、去年の年末に5万越えだったから、そこからの伸びが急激だったね。リンク先の威力の凄さをまざまざと見せつけられる。ということは、今は月平均6000余り、一日平均200前後か。増えたねぇ。当初は一日2とか3とか、自分が見てるのが解ったもんだけど(苦笑)。
他力本願みたいなとこはなんとかしたいが、まあそれはある程度アクセス数がいってから考えればいいことだろう。って、十万ってのも結構な数だけどね。
さて、夏コミが終わったばかりとはいえ、次は9/23のサンクリ、10/5のレヴォと連発が続く。
十万達成記念ということで、ここでちょっと記念品を配布しようと。記念品といってもなんかグッズ作ったりするわけじゃなく、記念CG集とか。無料版。なんかこういった無料版て力入るんだよね。何が出るかは、その日のお楽しみ……ということで。
無料配布はサンクリおよびレヴォの両日のみです。
しかし、今回夏コミ用にネタにしたGAD GUARD。なんだかメチャクチャです。
何がメチャクチャって、放映スケジュールが遅れに遅れ、結局最終回も放映しない、全話から8話も不足した状態で地上波終了……もうどういうことやフジ。
掲示板のはいずれ消えるので、こっちにも書いておく。
フジは前からそう。フジは深夜番組をないがしろにしすぎ。一回ぐらい抜けてもどうということのないバラエティならともかく、連続もので最終回を放映しない、全話放映はCSかDVDで見てください……視聴者をバカにすんのもいい加減にしろ。
フジの商業主義は、前から鼻についていた。番宣はどこの局でもやっているが、フジのそれだけは他に比べて妙にしつこく、くどい。特にドラマのそれは、「踊る大捜査線」が成功したのを受けたせいか、極端なまでに番宣を繰り返す。
フジのドラマは視聴率もいいかもしれん。バラエティも調子よかろう。「笑っていいとも!」のように、人気番組も多数抱えている。
だが、そこで見えているのは、視聴率史上主義と商業主義の顔だ。視聴率史上主義は、民放の至上命題であるがゆえ、仕方のない面もある。
だからといって、それは「(DVDが売れれば)放映スケジュールを守る必要はない」とか「深夜だから適当に放映すればいい」とか「衛星で完全放映するから地上波では多少抜けていても構わない」ということではない。
じゃあフジは、連ドラでそれをやるか? そんなことはしない。それをやれば、視聴者は怒り狂うだろうし、「フジのドラマは完全放映しない」などという風評がたてば、ゴールデンは致命的だ。
だが、フジはゴールデンには強くても、アニメでは今、総合的にはそんなに強くない。その点では、やはりテレビ東京の独壇場だ。だから、テレビ東京ではアニメ枠が壊れることはほとんどない。
だが、フジの主力は、あくまでゴールデン枠、そこで放映されるドラマ、バラエティ。深夜はそれに次ぐ、スポーツ枠を優先している。
その結果が今回のこれである。GAD GUARDに限らず、実はWOLF'S RAINも三話か四話抜けているという。去年までは、放映が遅れてもラストで二話放映など、強行スケジュールでなんとか消化してきたのだが、全26話放映という話数に問題があった。
ただでさえ、フジは深夜は休止が多い。午前1時には放映が終わることもしばしばある。
そういった悪条件があること、スポーツなどで潰れることも折りこみ済みで、全26話を決めたのならいいのだが、そういったスケジュールは「ないもの」として、放映スケジュールは決められている。
つまり、こうなることは事前に解っているはずなのだ。
それなのに放映を強行し、結局全く消化できず、途中を未放映にしても間に合わない……スケジューリングの甘さが際立つ。「小学生が夏休みの宿題のスケジュールを立てるのと同じ感覚」だと揶揄されても、反論の余地などない。
それ以外にも、フジは最近放送局としての不祥事(というか批判)が続いている。
「ワンナイR&R」では、つい最近「王監督事件」もあり、その翌週には反省した直後、また似たような事件を起こし、批判を受けている。
いい気になってるんじゃないか、フジテレビ?
メインの視聴層ではないアニメファンとか、何でもアリ(だと思いこんでいる)バラエティとか、最近のフジの態度は目に余る。
まあ、テレビのいい加減さは、フジに限ったことではない。サンゴに傷をつけるレポーターもいたし、カメラ片手に覗きを敢行するヤツもいた。「電波少年」も相当酷い番組だった。これらは「視聴率至上主義」故に行き過ぎた、というところがある。
だが、今回のフジのこれは、そこにさらに「商業主義」という、更なる病癖が加わったような気がしてならない。
もう十年もすれば、テレビは全てデジタル放送へ変わる、というタイムスケジュールが発表されている。しかし、当初のスケジュールからはすでに5年も先送りされている。
デジタル放送にするためには、合計で一千億円ぐらいの投資が必要だといわれるが、それを負担できるのは関東のキー局だけで、その他のローカル局ではとても負担できないという。
そのための投資を、すでに関東キー局はかなり済ませていて、その資金回収に各局必死であるという事情もある。そのためには、どうしても収益を上げなくてはならず、商業主義的方向性も必然であるということかもしれない。
だからといって、それがいいかげんな放映を許容する理由にはならない。
デジタル放送へ移行するとかしないとかいう話は、視聴者には現状関係ない話だ。デジタル放送にしても、今のところそのメリットは何もない。専用チューナーがあれば見ることは出来るが、決してそのチューナーも安くはないし、デジタル放送の本命たる双方向番組も、デジタル放送対応テレビがまだ少数しか出ていない、双方向放送がほとんどない現状では、役に立つものではない。
それに、そのデジタル放送が将来的にどう成長していくのか、まだ全く見通しも立っていない。現在では視聴者も限られ、しばらくはまだ施設に対して持ち出しが続く。
そこで利益が発生するビジネスモデルが確立できなければ、技術的には優れていても市場自体が成立しない。それではただの投資損になる。
その不確定なものに、これからもまだまだ投資を続けなければならない現状、収益を確立するために、どうしても商業主義的な面が強くなるのは、仕方のないところではある。
しかし、それが視聴者への不利益となったのでは、本末転倒も甚だしい。
そうならないように、スケジューリングして、それを実行するのが、「大人の仕事」ってもんじゃあなかろうか。
いくらテレビがいい加減だからって、やっていいこと悪いことは区別し、自ら評判を下げるようなことは極力避けなければ、いずれ凋落していくのではないか。
……まあ、こう批判したからには、自分でも気をつけるべきではありますがね。
・9/24
サンクリ明けでごんす。
最近低調なので、なんかこう息上がる……じゃねえ、意気上がるような刺激が欲しいところである。
だからって出すものも低調じゃいかんのですが。
ホームページの方はまあそれなりに、というかそこそこ好調に推移しているようです。とはいえ、こっちの単純評価はアクセス数だけなんですが。レヴォ前には確実に12万オーバー。このペースで単純計算すると、年内に15万オーバー……するかな。
3月にはサークル創立5周年記念ということになるので、そこでまたなんかやりたいなーやりたいなーと思うのですが。
時々気力っつーか、意欲が急激に萎えることがある。
最近よくいわれる「軽うつ」ってやつかもしれん、と思って、簡単なチェックの紹介をテレビでやってた際に、ちょっとやってみる。
……いかん、予備軍に入ってる。
なんでこんなんかなーと思ってみると、思い当たる節はいくつもある。
仕事上でも元からあんまり仕事以外で他人と口きかないし(派遣関係は人も場所も移り変わりも激しいし)、友人関係も最近は直接話さず掲示板とかメールとか、文字での連絡がほとんど。たまに電話で話すぐらい。集まることも月一回以下。
……実は俺、人恋しいのか?w
まぁ実際、やる気は出ないし環境の変化に乏しいし金はないしw、全国2千万人は同じようなことを思っているのではないかと。
ただ、それでもストレス発散のできる人はいい。生憎俺は酒も飲めないので、酔っ払って理性の枠が外れるってことがない。その代わり普段から外れかけているって話はないでもないがw。
で、どうストレス発散したらいいのかって思うと、やっぱり「誰か気に入らない奴を思いっきりブン殴る」とか「なんか思いっきり破壊したい」とか、そんな破壊衝動がじわじわと持ちあがってくる。
なまじ格闘技とかかじると、「あーちょっと人殴ってどうなるか試してぇー」って必ず思う。例えばケンカのために空手とかボクシング習うっていうのはそーゆーコゾーだろう。ただ、道場やジムで習う格闘技は、スパーリングや組み手で殴り合いがある。ま、そこで最初はボコボコにされるが、それでも一発や二発は返せる。それが徐々に自分のほうが当てられるようになってくれば、それだけでかなりストレス発散になろうというものだ。
が、俺の場合は動機がちょっと違う。確かに「強くなりたい」とは思ったが、近づいてくるアホなコゾーを返り討ちにするのが目的だったからだ。
しかし、そんな機会は未だにない。シバこうにも、多少「これならそこらのコゾーなんぞ簡単にブチのめせるな」って思うようになった頃には、そーゆーコゾーが近寄ってこない。いや、それはそれで無用のトラブルに巻き込まれないからいいといえばいいのだが。
が、どうせストレス発散するなら、「こういうリスク背負っても徹底的に発散できる方がいい」と思ったことは、一度や二度ではない。
……という、なんか危険な兆候が感じられるわけよ、自分の中で。
自分で「俺はこうだ」って判ってるあいだはまだ何とかなるだろう。自分で判っているってことは、抑えることも回避することも出来るわけで。
しかし、これが不可避な向こうからやってくるトラブルだったりすると、どうか?
もしどっかのコゾーに絡まれて、「金出さないと痛い目に遭うよ」みたいなこと言われた日にゃー、どーかな。相手にもよるが、もー腕の一本ぐらいじゃ済まさないかもしれない。
……で、思い出したのが、小学校時代のうっすらとした記憶。
ガキだから、まあケンカの一回や二回、することもある。その当時はまだ親の過保護とかも問題ではなく、ケンカごときで親がいちいち介入することもそうはなかったし、ちょっとの体罰で教師がクビとかもありえなかった。
そのときの同級生に、弱いくせに妙に人にくってかかる奴とか、こっちは知らんのに向こうから勝手につっかかってくるのとか、いたわけ。
そんなときどうしたか? その当時の俺は、別に格闘技とかやってたわけではなく、そこらのふつーのガキだったが、手加減てものを知らなかった。まあガキなんて手加減は知らんものだけど。
ケンカになると、俺はもう徹底的に相手をブチのめしたような記憶がある。あんまりしつこいんで、殴りはしなかったが首締めて追い払ったりとか、蹴飛ばした上にニードロップくれて鼻血出させたりとか……まあ、その程度のケンカ、他でもよく見かけたけど。
とにかく、当時から「やられたら倍返し」ってのが俺の信条で、一発殴られたら二発殴る。で、俺の方からは絶対に引かなかった。一度イヤだと思ったことは絶対にやらなかったし、まあ妙に頑固なとこがあった、と親にも言われた。それは明かに親譲りだw。
だが、頑固の裏返しは継続と集中。いい方向に向けば、それが自力になってついていく。
でも、あんまり経済的にいい方向には向かなかったみたいですがw。
・10/15:反省……
「反省」、というのはここのことである。
もう最近「グチの部屋」みたいで(苦笑)。
そんなこってはいかんので、ちょっと本来の「同人道」に立ち返ってみようと思う。
その「本来の」ってやつが曲者なんすけどねw。
さて、10月である。レヴォも終わり、皆さん年末へ向けてひたひたと走り始めていることでしょう。
そんでいいのかよ。一応アフターレヴォのこと。
えー、レヴォなのに新作が出ませんでした。出なかったわけではありませんが、例の120000アクセス記念円盤だけです。無料配布なんで、まーどーでもいーといえばいいんだけど。その割には労力割いてた気もしますが。ええ、上記フジ対応の反動ですよ。
サンクリの時にコミケ後のBT2対応版がほとんど出たみたいなんで、今回はそこらを除くと、新作らしい新作も出なかったってのが……まあそういう問題でもないですが。本当ならコピー誌の一冊も出る予定だったんですがね。上に書いたとおり、その頃は「やる気消滅症候群」で、コピー誌の制作まで気力が続かなかったです。
よって、この本は次予定のコミティアまでお預け。年末のコミケはどうでしょうか。受付葉書は来ましたが、毎度皆さんビクビクもんですわな。
……まあそれはさておき。
前回・サンクリの後、ちょっと仲間内のバカ会議があった。なぜか高田馬場まで歩く羽目になり、そこのファミレスでメシ食いながら延々バカな話を。
そんでレヴォ後にも、人数増えて打ち上げ。いいねえ、打ち上げ。
でも基本的に酒の席だから、バカな話以上のことはなかなか出来ないよね。
ああそう、コミケ初出のGAD本、あれは新規に立ち上げた合同プロジェクトサークル「UGO」名義で出したのだが、委託をするときに、大手に「UGO」ってのがあることを知らされ、「やられた」って思ったね。人間の発想のヒネリがあるかないかは、そこらにも出てくるな、と。
いやね、一人なら自分の思ったとおりつけられる。ウチのサークル名やサブプロジェクト名は、他にないものにできる(しかし、"Nighthawk"ってのはステルス機のコードネームだから、ミリオタと間違えられる時がままある。こっちは自分の名前に関連させてつけたんだけどね)。ぐぐれば同じ名称があるかないかはすぐわかる。
しかし、複数の人間の了承を得て、となると、途端にこのオリジナリティというのは極端に低下するものである。
なぜか? 複数の人間の感性の「共通点」の中でしか、合意が得られないからだ。
例えば、高校で一人の天才がいたとしよう。その一人の成績なら、東大も楽勝である。
しかし、学校全体でみると、どうも偏差値50も切ってしまう程度になる。
解りにくい例えだが、つまりは「集団内の個体数が増えることにより、その集団はどんどん没個性化・平均化していく」ということなのである。
もちろん、その集団が少数で、それぞれが同じ方向に個性的であるなら、その平均値は極めて局所的に高くなる。しかし、同じ方向を向いていない多数の人間が集団を形成したとき、そこは通常の社会の縮図と見るのが正しい状態になる。つまり、あまりに多方向を全員が向いているため、一方向への個性が失われる傾向にあるのである。
もちろん、それを打破するには、一方向への才能に優れた人間だけを集めた集団を形成すればいいのである。
だが、それをあんまり極端にしちゃうと「我々は選ばれた人間である」とか電波出すようになるしね(笑)。また、実力だけを評価するあまり、人間的には×××なヤツばっかになってしまうことも(どことは言わないが、○○○○○○とか)。
ほどほどに優秀な人間の比率を上げていくと、集団全体の性能も上昇する。そういうことである。
もちろん、人を集めるには、その集団にカリスマ性など、人を惹きつける何かがなくてはならないことは、言うまでもない。
話を元に戻すが、まあこの合同サークルってやつも、「同人方面へ特化されてきた人間たち」の集団と言えなくもない。まあプロがいるわけでもなく、そんなにハイレベルかといえば疑問符もつけられて仕方ないが、それでもこの方面の技術においては、一般人より高処にいることは確かだ。
で、もう一段階話を戻すと。
この集団、結局真面目な話ができるかというと、どうにも全員が顔を合わせるのが打ち上げのときばかりなので、なかなか実務的なことが話せない。ありがちな集団であるw。
確かに、酒の席だと個々の主張とか漫画論とか、そういうのが噴出してくる。それを聞くのはなかなか面白いものだ。各個人のスタンス、時には秘密の一端が見えたりもするw。
だが、実作業をする場合は、実務レベルの協議が必要だろう。誰かに一任、というなら話は早い。しかし、分担するとなるとまたややこしい。印刷の手配、委託では売上を扱う問題もある。その分配と実務の密度をあらかじめ勘案しておかないと、後々もめる原因になる。
そんなことで分裂するぐらいなら、最初から合同企画はやらない方がいい、という話もある。
だが、実務協議をきっちり詰めて分担がはっきりきまっていれば、もめることもないというのも全員の統一された意見なのである。そこで「誰がそれをやるのか」でもめることはあってもw。
一ついえるのは、「酔っ払いが真面目に話すのは宇宙や人生や人類の未来のことだけ」だということだw。
まだまだ続くよ。
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